「お前の手に負える相手じゃねーぞ」
幼馴染とも言える、ボンゴレの家庭教師が呟いた一言。
俺は視線の先にいる大好きな人を思って、目を伏せた。
「そんな事、わかってるよ」
リボーンの言葉を苦々しく噛み締めて、視線を無理やりあの人から外す。
ボンゴレと話し込んでいるあの人は、俺に気付いてなんかないみたいだった。
けれど、こっちを見てくれるんじゃないか、なんて淡い希望を抱いて見てしまう。
余所見なんかする人じゃないとわかっているけど。
「大体、お前なんか眼中にねーだろ」
「わかってるから言うなよ」
これ以上、あの人との距離を知らしめて欲しくなくてリボーンを睨みつける。
リボーンは肩をすくめて帽子を被りなおすと、ボンゴレの傍へと歩み寄っていった。
あの人と肩を並べることの出来るリボーンが、ボンゴレが、羨ましくて。
(俺はどうやったら、見てもらえるのかな)
もっともっと強くなったら俺に興味を持ってくれるだろうか。
ボンゴレのように強くなれたら、俺を
そのとき ふっと
あの人が、俺を見た
直ぐにボンゴレに向き直ってしまって、俺を見たのはほんの一瞬。
目が合うか合わないかぐらいの間だけ、俺を見ていた。俺を 見た
(あぁ これだけでも胸が高鳴るほどに俺は)
だめだといわれたけれど俺は今日も彼の人を思う