ギシリとベッドが軋んで揺れた。
息を吐き出すと、思ったよりも熱っぽいことに少しばかり驚いて目を瞬く。
今、自分はどんな目で彼を見ているのだろうか。
「ランボ」
名前を呼ぶ。
声が思ったよりも掠れていて、また少し驚いた。
「ランボ。」
もう一度名前を呼ぶと、ぴくりと彼の体が僅かに揺れた。
荒れた息を整えることに必死のようで、綺麗な翡翠の目だけが僕を見ている。
力も入れられずに横に投げ出されている彼の手の平に指を這わせると、彼の喉が僅かに揺れる。
そういえば掌は人の急所であり性感帯の一つなのだと何かで読んだ事があった。
僕と同じ温度の彼の指に僕の指を絡めて握る。
ゆるゆると握り返した彼は頭を動かして顔を僕の方へと向けた。
「なに?ランボ」
「…雲雀さん」
僕の指から彼の指がするりと抜けた。
重力を感じさせない動きで彼の手が僕の頭を引き寄せる
唇が触れたことに驚いて目を見開くと、彼は僅かに眉根を寄せて呟いた。
「もういちどだけ、おねがいします」