彼とこれ以上一緒には居る事が出来ないと悟ったある日の事

 

 

彼はとても怯えていた。

地面に滴る血だとか倒れている人の体や僕の目を見ては身体を震わせ、小さく嗚咽を零して、泣いていた。

それを見て僕はようやく我に返ることが出来た。

彼の目の前で悦に入って思う存分敵を咬み殺してしまったことを後悔した。

ああ、折角近づけたかと思ったのに。

 

(また、距離が)

 

 

僕は自分を制御することが出来ていると思って居たけれどどうやらそれは自惚れだったようだ

彼をと普通に付き合うことすら僕には できやしない