仕事で疲れて眠ってんのか。
ったくしょうがねぇなぁ毛布くらいちゃんとかけて寝ろってんだよ
つーか、なんで俺がこんな事してんだ。
内職の花ぐらい仕舞えってんだよいくら疲れてるっつってもなぁ

 

「なんや、ロヴィーノ来てたんなら起こしてくれればええのに」

 

花を仕舞おうとダンボールを運んでいる最中に、背後から聞こえた声に思わずダンボールを落としそうになる。
直後に後ろから俺の身体を挟むようにダンボールを支えられて何とか安定したものの、なんだっていきなり声なんかかけやがるんだこいつは!

「相変わらずそそっかしいなぁ……」
「うるせぇ!さっさと離れろ馬鹿!」
「助けたんに…酷い……」

よろよろと離れる馬鹿を見て、勢いよくダンボールを床に置いた。
ふう、と息をついた次の瞬間

「ちぎっ……!?」
「ちゃんと目上は敬わなあかんでー?」
「はっ、離せばか……ッ!ちぎっ」

髪をくるくると玩ばれていることに直ぐに気が付いて暴れると、余計に髪が引っ張られる。
コイツ性格悪いつかマジで話せこの馬鹿野郎うぇあぁあああああああ

「ちぎー、って何やの?いつも気になってんけど」
「う…うるせぇー……ぐすっ……ちぎぎ……」
「あ、泣いてしもた?」

涙眼になっている俺に気付いたらしい。
よし、これで止めてくれるに違いない。つかやめるだろコイツはいつも俺が泣くと甘いんだ。

 

 

「ロヴィーノの泣いてる顔 かわえぇなぁ」

 

 

座り込む俺を上から見下ろすようにかがんでいるアントーニョ
寝ぼけてるんだ きっとまだ寝ぼけてるに違いない そうだきっとそうなんだ

だから

 

 

 

 

食べちゃいたいくらい好きだよ。いやマジで。

 

 

 

御題作者:みかげさん