「良守、何怒ってんだよ」
「五月蝿い!くんな馬鹿」

 

どかどかと足を踏み鳴らして前を歩く良守は何故か怒っているらしい
どうやら重要な話を聞きそびれた俺が悪いらしいが一体何を話そうとしていたのやら

(聞いても答えてくれないしなぁ)

 

「…お前、やっぱ俺の事嫌いだろ」

 

唐突な言葉に俺は息を詰まらせた何でってだって俺の思ってることと正反対の事をコイツが思っているからだ

 

「急に何言い出すんだ」
「違うのかよ」
「なんでそうなるのか分からないんだけど?」
「違うなら違うって言えよ そうなんだろだから俺の事無視すんだろ」

 

今無視してるのはお前だろうに何を言ってるんだと思うものの言葉が上手く紡げない
何時ものように馬鹿だなぁ何言ってるんだってからかうように好きだといえばいいのに

成る程 頭が真っ白になるほどにショックだったらしい

 

「好きだよ良守」
「え」
「だから、好きだよ」

 

信じられないって顔してるこいつが俺の事を信じてくれるのはいつになることかと 心の中で泣いた

 

 

 

 

立場が逆転した瞬間

 

 

(いや、俺が告白するつもりだったんだっつーの!)