良守の右の掌に口付けるとくすぐったいのかぴくりと手が強張り震えた ちらりと横目でうかがうと唇をかんで目を逸らし頬を赤らめ必死にこっちを見ないようにしている 一杯一杯のその表情をみるとどうしても悪戯してやりたくなってしまうのは昔から変えられない 見えないよう唇を少し吊り上げると方印をぺろりと舌で舐め上げた

 

「ひっ」
「掌って人の急所らしいけど、お前は性感帯なのかもな」
「ばっか言ってんじゃねぇこの変態!」

 

右手を無理やり引き剥がされて少し物足りない気分に陥る
いっそあの掌を貫いてしまえばよかったのかもしれないなどと 思う

 

 

いとおしいてのひら