今までに見た事が無いくらいボロボロになっている雲雀を見てランボは小さく嗚咽を漏らしながら泣いていた
その理由は血が怖いとか痛そうだとかそんな理由ではなく雲雀がボロボロになったその理由もとい原因が自分にあるからだった

 

偶然公園にいたところ雲雀がそこへやってきたところまでは問題はなかったが雲雀がやってきた理由というのが尾行されていた殺し屋を叩きのめすためというものだったのがいけなかった
結果巻き込まれる形となったランボは想定外の事態にろくに対応することもできず雲雀もろともランボを狙う殺し屋達の攻撃を避けることすらできずに銃弾を腕に喰らってしまう
それを見た雲雀は何を思ったのかランボを守るように闘い始めたのだ
結果として雲雀は必要以上に攻撃を受け怪我を負いその姿はランボがいまだかつて見たことが無いほどに酷いものだった

 

いつも圧倒的な強さで敵を叩きのめす雲雀を尊敬し憧れていたランボは目の前の光景が半ば信じられずにいた

 

「どうして俺なんか庇ったんですか俺なんか庇おうとしなければこんな怪我なんかするはずないのに」

「守るもののある闘い方なんか、知らない」

 

どうして守ってくれるのかランボは見当もつかない
雲雀の言葉を待っていると荒い息の後雲雀の唇がゆっくりと動いた

 

「でも、次からはもっと上手くやれるよ きっと」

 

それは次も俺を守ってくれると、そういうことですか
と聞こうとしたが声に成らずぱくぱくと唇が動いただけだった

 

 

歪な欲望

 

 

 

 

御題提供:ナギさん