どうしてわざわざ回線をつなげてしまったのか、自分がよくわからなかった

 

 

証明

 

 

「………チッ」

 

ベッドの中で、一人、舌打ちをする。
らしくもないことをしてしまった。

 

(別に、レプリカがどんな夢を見ていようと関係ないだろうに)

 

自分にそう言い聞かせながらも、それならば何故回線を繋げたのかと自分がわからなくなってくる。

 

珍しく回線をつなげてきたかと思ったら、無意識のようだった。
しかもその内容はぐちゃぐちゃで、聞こえるのは泣き声と叫び声。

壊れそうだと叫ぶ、レプリカの声

 

(繋げてみれば、元気そうに笑ってやがるし)

 

あれはなんだったんだと思うと同時に、やっぱりなんで自分が回線を繋げたのかと疑問が浮かぶ。
一番近い解答としては、心配したというのが上げられるけれど、自分がレプリカを心配するなんて

 

(………ちくしょう)

 

もやもやする気持ちを無視して、ベッドに横になる。
冷たいシーツの感覚が気持ちいい。

 

(何をあんなに不安がってやがる)

 

アイツには仲間もいるし、不安になることなんか無いはずで。
死にたく無いと嘆く声が 耳から離れない

 

 

 

(ああ、そうか)

 

 

アッシュは浮かんできた答えを受け入れて、諦めて目を伏せた。

 

 

 

どうしてこんなにアイツが気になるのか なんて、今更だった

 

せめて お前だけは 笑っていて欲しい