また部外者が校内に入り込んでる
違和感
「う……うぇ……ガ・マ・ン」
「……………。」
階段の隅から声が聞こえると思ったら、そこに蹲って泣いている部外者を発見した。
良く見るとどこかで見たような角をつけている。
あの赤ん坊の関係者だろうか、と思いつつも、校内に部外者が入っていることは許せない。
背後から近づいて、脳天に一撃食らわせた。
「痛っ!!?あっ、ひ、雲雀さん!?」
振り返ったとたん、唯でさえ涙目だった瞳からぼろっと涙が零れ落ちた。
泣き顔を見てぞくりと肌があわ立つ感覚を覚えながら、トンファーを構える。
「君、校内に侵入してどうするつもり?」
「えっ、えと、何も……」
「そう。じゃあ咬み殺されてくれる?」
面倒ごとが起きると困るんだ、と小さく呟いて、再びトンファーを振るった。
が、今度は間一髪でかわされてしまった。
「あ、危ない………っ!」
「…ふぅん。面白いね」
そこそこやるというわけか。
少しは楽しめるかもしれない、と思った次の瞬間だった。
「ひっ……わぁああああああっ!!?」
「!?」
床に尻餅をついていた部外者が、突然飛び上がって僕にしがみついてきた。
衝撃に耐え切れず、後ろに尻餅をついてしまうが、それでも部外者はしがみついたままだった。
「む、虫っ!!大きな虫が…っ!!」
「………………」
情けなく涙をこぼす姿を見て、一気にやる気が失せてしまった。
小さく溜息をついてトンファーをしまう。
「………?」
きょとんとした涙目で、しがみついていた部外者が僕を見上げた。
(………あれ)
どこかで見たことがあるような気がする。
翡翠色の目を見て、思い出す。
確か、ランボとかいう名前の子供に、似ている気がする。
「君、名前は?」
「へっ……えと、ランボです」
「……あの子供と一緒だ」
「えっあ、あはは……そ、そうですか」
何か少し様子がおかしかったけど、追求する気は無い。
ふわふわする髪を触ると、気持ちよさそうにランボが目を閉じた。
(…………?)
ふわふわの、髪。
酷くさわり心地が良いように思えるのは、髪質が良いからだろうか?
(…………いや)
それだけじゃないような、気がする。
不意に、ふっくらとした唇に目が行く。
柔らかそうな、ピンクの唇
ちゅ
「……っ!?」
ランボが唇を押さえて、一気に飛びのいた。
顔は真っ赤で、まるで林檎みたいだ。
「ひ、ばりさ……」
ランボが何か言おうと唇を開いた次の瞬間、
一気に煙でつつまれ、その煙が晴れた時そこにいたのは
「あれ……?ここどこだ?」
「……………」
子供の、ランボ。
(さっき僕は彼に何をしたのか思い出し、どうしてあんなことをしたのか考えた)
けれど、何故なのか答えはでないまま
(唇に触れて、さっきの感触を思い出していた)
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ユウさんのリクエスト、雲雀×ランボ(+10)です。
細かいシチュエーションが無かったので、趣味に走らせていただきました(^^)リクエスト、どうもありがとうございました!