「マスター、マスター、大好きです。」
「ん、わかってる」
マスターの休日に、マスターを抱きしめて、愛を囁く。
とても、幸せ。
ブラックジョーク
「マスターは柔らかいですね」
「お前、男に向かってそれは無いんじゃねーの」
暖かいマスターを抱きしめながら、耳元で囁く。
いつも仕事で昼間は居ないマスターを独り占めできる唯一の時間。
マスターが僕の曲を作ってくれている間、ずっとマスターを抱きしめている。
「……曲、作るの疲れたな。」
「え?」
何時もはすらすらと曲を作り上げるマスターが、珍しく溜息を付いた。
小さく呟かれた一言を、思わず聞き返してしまう。
「カイト、ごめん」
そう言って、マスターが振り向いて僕を見る。
その顔は、とても悲しそうで
(なんでそんな悲しそうな顔をするんですか?マスター)
「お前、解雇な。」
ビキッ、と体中の間接が固まった音がした。
え、マスター、今なんて
「俺、もう曲作れない…お前の事歌わせてやれない」
「え……ますた…?」
呼吸が出来ていない気がする。
言葉が上手く紡げなくて、一気に体温が下がったような感覚。マスターを抱きしめているのに、こんなにも冷たい
「……いやです、マスター、嫌だ」
「カイト?」
「歌えなくてもいいから、傍にいさせてください」
強く、強くマスターを抱きしめて顔を肩に埋める。
マスターが小さく息を呑んで身じろぎをしたけれど、離さない。
離してしまったら、もう抱きしめることが出来ないかもしれない。
そんなの、いやだ
「……カイト、あのさ」
「……………」
「冗談、なんだけど」
ガバッと顔を上げて、マスターをまじまじと見る。
思いっきり笑いたいところを堪えるような仕草をして、僕を見てる。冗談、って言った?
「………え、え?」
「だから、冗談」
マスターが僕と向かい合って、僕の事を抱きしめてくれた。
暖かくて、優しくて
「どんな反応するかなーって思って、言っただけなんだけど」
なんかごめんな、とマスターが呟いて、僕の背中をぽんっと撫でた。
じわっと目が潤んできて、ああ、涙が出るんだとぼんやりと思いながら、マスターを抱きしめた。
「マスター、僕、傍に居てもいいですか」
「うん。居てよ。」
マスターの手が、僕を抱きしめる。
僕の手が、マスターを抱きしめる。
このまま一つになってしまたらいいのに、そんなことはできなくて。僕はボーカロイド。
マスターは人間。
交わることなどないのだから
「カイト」
「何ですか、マスター」
「好き、だよ」
マスターの顔を覗き込むと、真っ赤にして少し俯いてしまっていた。
どうやら冗談でからかったことに、まだ少し罪悪感があるらしい。
そんなマスターも、愛しくて
「マスター、僕はもっと大好きです。」
「……うん。」
マスターの頬にキスをして、強く強く抱きしめる。
いつまでも あなたが好き
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結局はいちゃつきたいだけのカイマス←
しぇるさんのリクエスト、カイマスでラブラブ中にマスターの冗談での解雇宣言 でしたー!
リクエスト、ありがとうございました!!