マスターと、カイトお兄さんは仲が良いです。

とっても、仲が良いです。

 

 

 

今日のこと

 

 

 

マスターを起こしに行ったら、カイトお兄ちゃんと一緒に寝てました。
マスターとお兄ちゃんは、何時も一緒に寝ています。
私は少し羨ましいと思います。

 

「マスター、お兄ちゃん、起きて下さいよ。」
「ん………わかった。」

 

返事をしてくれたのはマスターです。
お兄ちゃんはまだ起きてくれません。
でも、マスターの上におにいちゃんが乗る形で寝ているので、マスターが起きれば起きると思います。

でも

 

「……ッだー!重いんだよ!!さっさと起きろ!!」
「うわっ!?」

 

マスターは余り気が長いほうではありません。
今日も思ったとおり、お兄ちゃんは蹴落とされました…。
頭をぶつけたみたいで、ゴンッと凄い音がします。
…大丈夫かな。お兄ちゃん。

 

「ひ、酷いですよ、マスター…壊れたらどうするんですか」
「今まで一回も壊れなかったんだから大丈夫だろ。あ、ミク、とばっちり食ってないか?」
「はいっ、大丈夫です。」
「マスター、なんでミクの事は心配するのに僕の事は心配してくれないんですかぁ…」
「だってカイト生きてるし。平気だろ。」
「平気じゃ有りません…衝撃で少し記憶飛びましたよ……」

 

メモリ整理しないと、と、こめかみを押さえながらおにいちゃんが呟きました。
マスターは聞いているのか居ないのか、私を連れてさっさと部屋を出て行きます。
お兄ちゃん、大丈夫だといいんだけど。

 

「マスター、お兄ちゃん大丈夫かな。」
「大丈夫だって。あの程度で壊れるようならとっくに壊れてんだろ。」
「………そうですね。」

 

マスターの言葉で、私がここに着てからのお兄ちゃんを思い出しました。
躓いて、顔面から転んだり、棚の上のモノを取ろうとして足を滑らせたマスターの下敷きになったり。
お兄ちゃんは丈夫です。凄いです。

 

「……あれ?マスター、少し顔が赤いですよ。」
「え?気のせいだろ」

 

そういうマスターの言葉は、普段よりも早口でした。
お兄ちゃんに怒ったからなのかな。と、最初は思ったけれど、
カイトお兄ちゃんが後ろから来て、それを見て笑ったマスターを見て、
なんとなく気が付きました。

 

「マスター、照れ屋なんですね」
「へ?」
「お兄ちゃんをベッドから蹴り落としたのって、直ぐ目の前にお兄ちゃんの顔があったからでしょ?」
「!?」

 

マスターの顔はさらに真っ赤になりました。
トマトみたいだなぁ、って笑って、お兄ちゃんを見ると、
すっごく楽しそうな、それでもどこか幸せそうな笑顔でマスターを見ていました。
前にマスターにねだって買ってもらった少女マンガの、好きな子を見る主人公のような表情で。
私は少し、マスターが羨ましくなりました。

 

「そうだったんですか?マスター。」
「ちっ違うっつーの!変な事言うなよミク!カイトが誤解してんだろ!」
「えぇー?私、間違った事言いましたか?」
「ううん、間違ってないよミク。マスターは照れてるだけだからね」
「あ、やっぱり。」
「違ェー!カイト、変なこと吹き込むな!!」

 

マスターは顔が真っ赤です。
きっと、すっごい照れ屋だったんだな、と、今更わかった気がします。
お兄ちゃんは凄いです。
こんなマスターの事、何でも分かっているみたいで、興奮するマスターをちゃんと宥めてテーブルに座らせてました。
やっぱり、お兄ちゃんは王子様みたいだなぁと、なんとなく思いました。
……とても、ドジだけど。

 

 

 

 

 

「カイトー、水ー。」
「今持って行きますね。」

 

お昼、マスターと一緒に昼食を食べました。
マスターの好きなミートスパゲッティにしました。
でも、マスターは急いでいるみたいで、急いでスパゲッティを食べています。

口の横に、ソースが着いてます。
マスターはちょっと可愛いです。

 

「マスター、口にソースついてますよ?」
「へ?何処?此処?」
「あ、そこじゃなくて、反対側です。」
「ん?こっち?」

 

マスターは自分の何処にソースがついているのか分からないらしくて、違うところを指で拭っていました。
私が教えてあげようとすると、お兄ちゃんはティッシュを取って、

 

「ここです。」

 

きゅっと、マスターの口についていたソースを拭いました。
マスターは一瞬ぽかんとしたあと、にこにこ笑うカイトお兄ちゃんを見て、一気に顔を真っ赤にしました。
なんだかマスターが子供みたいで可愛かったです。
お兄ちゃんはやっぱりお兄ちゃんだなぁ。

 

 

 

 

 

夜、マスターがバイトから帰ってきました。
私とお兄ちゃんは一緒に遊んでいて、マスターはパソコンでやるお仕事をしていました。
気が付くと、時々コッチを拗ねたような目で見て、またパソコンに目を向けているみたいです。
マスターも構って欲しいのかな、と最初は思ったけど、多分違うと思いました。

 

「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?何?ミク」
「マスター、もしかしてやきもち妬いてる?」
「はぁ!?」

 

マスターがいきなり大きな声を出しました。
顔は真っ赤です。やっぱりやきもち妬いてたみたいです。
恥ずかしがりやのマスターは、認めたくないみたいだけど。

 

「私がお兄ちゃんと遊んでるから、ヤキモチ妬いちゃったんだよ、きっと。」
「へぇー。すごいね、ミク。気が付くなんて。」
「えへへ。」
「ちょ、ちょっと待て!俺はヤキモチなんか妬いてないって!」
「マスターの嘘吐きー。」
「マスターの嘘吐きー。」
「声をそろえるなー!」

 

マスターは怒ってるのか照れてるのかわかりません。
多分両方だと思います。
もう寝る時間だったので、マスターのことはお兄ちゃんに任せて寝ることにしました。

私の毎日はこんなかんじで、とても楽しいです。
でも、毎日マスターとお兄ちゃんが喧嘩してるわけじゃありません。
とても仲が良い時もあります。
この間は、一緒にソファーで肩を並べて寝ていました。
その前は、一つのアイスを二人で食べていました。
アイスは多分、マスターが食べてたのを見たお兄ちゃんが欲しがったんだと思うけど。

仲が良いから喧嘩をするって誰かが言っていたのを思い出します。

 

やっぱり、マスターとお兄ちゃんは仲がいいです。

 

 

 

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マスターがかなりの照れ屋になってしまいました。(笑)
もちさんのリクエスト、ミク視点のカイマスでした。
ちょっと日記風になりましたが、気に入っていただけると嬉しいです。

リクエスト、どうもありがとうございました!!