失ってどれだけの日々が過ぎただろうか

 

 

面影を、探す

 

 

コツコツと煉瓦造りの道を歩く。

あたりには雪が降っていて、けれども寒く感じない自分の身体に少しの違和感を感じながら。

ふと目の端に青がちらついて振り返るけれど、青いマフラーを巻いた子供が駆けて行くだけだった。

 

ふと気を緩めた時、いつも探している。

それは鏡に映る自分の中にだったり、青という色にだったり。

積み上げられた本にすら、面影を感じるようになっていて

 

(随分と感慨深くなった)

 

もしも昔に戻れるなら、と何度か思ったことがある。

けれど結局は同じようになっていたんだろうと、そのたびに思った。

何時だって自分はアイツの前では同じようにしか振舞えないのだから。

 

(もし、今会ったとしても直ぐに殺し合いが始まるかな)

 

口元に小さく笑みを浮かべて、自嘲気味に笑った。

お互いに譲ることを知らない二人が、唯一思いを交わせるのは言葉ではなく行動で。

何時だってそうやって会話をしてきたから、今更言葉でどうこう、なんて

 

今の自分は変わったと、思う。

時間が流れるに連れて、昔のような無茶をすることも少なくなった。

けれど 笑うことも少なくなった

 

(なんで)

 

アンタは今隣にいないんだ

 

(もしも傍にいたなら、きっと)

 

今でも笑って、茶化して、怒られて

 

(笑えたんだろう な)

 

 

 

 

もしも悪魔にも魂があると言うのなら、願わくば

(どうか生まれ変わって、また双子で生まれて、一緒に)

 

 

 

アンタを殺したのは俺だけど 会ったら悔しそうな顔をして俺を殴る それだけだろ?

 

ダンテ

 

ふと名前を呼ばれたような気がした

 

振り向くと、そこには

 

 

(ちくしょう アンタはいつもそうやって俺を泣かせて愉しんで 本当に趣味が悪ィ)

 

 

 

 

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Xさんのリクエスト、DMC2…で合ってましたか?(汗)
当サイトにあるジャンルで2というとDMCしか思い浮かばなかったので…(滝汗)

とりあえず2のつもりです。
確か時間軸だと3→1→4→2ってなるんですよね。間違ってたらすみません。
最期のはダンテの幻聴か、兄が本当に帰ってきたのかはご想像にお任せします。

リクエスト、どうもありがとうございました(^^)